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松戸スタートアップオフィスからのお知らせ
2025.07.24
【終了|開催レポート】7月度セミナーレポート
2025年7月の松戸スタートアップオフィス定期セミナーでは、弁護士・古沢隆之氏を講師にお迎えし「起業家が知っておくべきカスハラ対策」と題した実践的なセミナーを開催しました。
近年、店舗やサービスの現場で問題となっているカスタマーハラスメント(通称カスハラ)は、従業員の精神的・肉体的な負担を増大させ、人材離脱や職場環境の悪化を招く深刻な社会課題です。
本セミナーでは、起業家や小規模事業者にとっても無視できないこの問題に、どのように対応すべきかを具体的に学ぶ貴重な機会となりました。
セミナー冒頭では古沢弁護士より、カスハラが増加傾向にある現状とその背景について解説がありました。
カスハラは単なるクレーム対応の域を超え、過剰な要求や威圧的言動、社会常識を逸脱した対応を迫られるケースが多くなっており、特に従業員が心身に不調をきたす例も増加しているとのこと。
こうした現実に、事業者側が適切に備える必要性が強調されました。
カスハラへの対応では、まず顧客とのやり取りの中で「誰が」「いつ」「どこで」「なぜ」「何を」「どのように」起きたかを整理する「5W1H」の視点を持つことが重要。また、相手にまず話をさせることで、不満・要求・手段の3つを明確にし、冷静に対応策を検討することが推奨されました。
対応方法についても、①自身での対応、②弁護士への相談、③警察への連絡、といった段階的な選択肢が示され、それぞれの適用場面や注意点を具体例とともに解説していただきました。
特に「謝罪文の提出要求」「慰謝料請求」「上司の同席要求」「従業員の処分要求」など、現場で実際に起こりうるシーン別に、法的根拠や対応の考え方が整理された点は、参加者にとって大変参考になりました。
起業直後は顧客対応のすべてを自分で担うケースが多く、過度な要求に対して「お客様だから仕方ない」と受け入れてしまいがちです。
しかし、長期的な事業継続のためには、自身やスタッフの心身の健康を守る視点が欠かせません。
今回のセミナーは、事業を守るための“法的視点による防衛力”を高める有意義な学びの時間となりました。
松戸スタートアップオフィスでは、今後も起業家に必要な実践知識を提供するセミナーを継続的に開催してまいります。
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